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 マークアップとフォント

  電子化されない文書と言うものがほとんどなくなった今となっては、文書のマークアップ記述は文書作成、利用技術そのものです。含まれる要素も膨大で、もはや全体像を誰も把握できなくなっています。また、マークアップ記述の目的も変わっています。文字列を修飾するだけではなく、商業デザインでも重要になっています。

マークアップはデータ

  コンピュータの歴史の話しには、ストアド・プログラム方式が必ず出てきます。同じ主記憶にプログラムとデータが存在し、区別されていないことを指していて、コンピュータは単にCPUの命令ポインタが指し示すアドレスの内容を実行するだけだと言うことです。
  このことから、命令とデータは入れ替えることが行われます。データと命令は人の捉え方の問題だと言うことです。
  マークアップについても、マークアップ言語と呼び、コンピュータ言語の1つと説明されることもあります。

  ここでは、マークアップ記述はデータだと考えます。それは、1つのマークアップ記述がいろいろなプログラムの入力になることと、そのプログラムが話しの中心だからです。
  また、命令とデータが入れ替えられるのは原理の話しであって、「ある時ある場所の気温のデータ」と、実現方法はともかく「ある時ある場所の気温を返す関数」があるとき、長命なのはデータであると考えます。

マークアップの表すもの

  直近までは、「文書を小さくして保管、伝送すること」や、「モニタの解像度や色表現は印刷に遠く及ばない」と言ったことが重要な要素となっていました。
  このことから、マークアップの出口は、ブラウザと印刷とに分かれて進歩してきました。
  ここに来て、これらの制約を無視するとどうなるかの実験をしているように見えます。
  コンピュータによる文書のマークアップ記述の目的が、代替手段から、主要な文書作成方法になったと言えます。
  「複合ドキュメント」や「ハイパーリンク」と言った言葉がありましたが、もはや文書の持つ性質全てと、電子化の効果をマークアップで表現するのが当然と考えられています。読み手の指定で動くインタラクティブな文書もあります。
  しかし、「文書の持つ性質全て」が分かっているわけではありません。

  半導体などの容量の表現に「新聞何ページ分」と言う記載がありました。これは、おそらく、単に、半導体の容量を、新聞1ページの文字数の2倍で割ったものです。
  この計算には、レイアウトや活字の大きさの情報は含まれていません。
  いまでは、本当の新聞と同じように表示されることが当たり前と受け取られるので、正しく伝わらない表現になっていると思います。

  新聞が「新聞のように見える」と言うのは、マイクロフィルムが担っていたことで、イメージで記録することに繋がります。
  カラーフィルムの場合、論理的には8,000DPIの解像度があるのだそうですが、実際のデジタル化は400DPIで行われるようです。
  グレースケールなら、A4で15.5MB程度になりますが、図は圧縮したまま扱われるので、実際にはマークアップ方式より小さい可能性があります。

  また、手書き入力やホワイトボードの読み取りのように、イメージから文字をリアルタイムに認識することも可能で、マークアップとイメージの境界は旧来考えられていたものとは違ってきていると思います。

あまり改善していないこと

  美しいページをたくさん見るようになりましたが、わたしの望みは叶っていません。
  望みは、教科書にあるような普通の文書が書けることです。分数や単位、平方根などを含んだ文章が書けたらと思います。
  もう一つは、表示環境によって使われるフォントが異なっていて、レイアウトにまで影響することが改善すればと思います。この問題は不都合なほどに文字サイズが異なったり、文字バケしたりと言ったことも引き起こしています。

  表現や通信の自由と言う意味では、書き手の見ているものと同じものが、受け手のブラウザでも再現されることが必須であることは疑問がありません。
  しかし、以下の理屈も成り立ちます。

  1. 読めないものが表示されても仕方ない。
  2. 過去のアクセス記録や地域などの情報を元に異なる広告を表示したい。
  3. 販売地域に限って不具合情報が表示されるようにしたい。
  4. 年齢や各地域の法令などによって特定の表示を禁止したい。
  5. ウイルスを含まない保証が必要。

  確かに、ASCII文字だけからなるページだけを公開することはいろいろな要件をクリアしています。
  これを少し広げて、日本語など他の言語についても、教科書程度の表現力を可能にしてほしいと願います。
  たとえ読めない言語でできていても、書き手の見ているものと同じものが表示されているなら意味があります。文化はそうして変化していくものだと思います。

  商業的な目的での利用を前提にした議論には不安を感じます。しかし、高速で美しい表示環境が整備されていくのも事実で、上手く利用することを考えることにします。
  ここでの結論は、ブラウズ環境に対する努力の多くは、「書き手の見ているものと同じものが、受け手のブラウザでも再現される」と言う基本的なことを含んでいないと言うことです。

フォントについて

  商業目的の場合、文字をデザインして使うことも特に不思議はありません。また、地域や顧客情報で表示を変えることもあり得ます。
  スマートフォンのアプリの45%が直接サービスに必要のないサイトへ利用者情報を送信していることが報道されました。(KDDIの調査。1/20 2012 NHK)

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